先ほど、トッキーが中村弁護士に連絡したら、すぐさま
ある資料を送ってもらった。
中村氏よ、ありがとう。
中村弁護士はオウム真理教と戦ったときの弁護士で、
「オウム真理教犯罪被害者支援機構」の副理事長である。
地下鉄サリンの被害者遺族である高橋シズエさんの
記者会見のとき、いつも同席している。
中村氏が送ってくれた資料で、わしが忘れていた記憶が
ついに蘇った。
わしはずっと「SPA!」『ゴーマニズム宣言』で、「坂本
弁護士一家の行方不明は、オウム教団の仕業だ」と
描いて以降、暗殺団から狙われるようになったと思って
いた。
だが、そうじゃなかった。
もっと前、10月8日の坂本弁護士一家の事件を風化させ
ないためのイベントで、わしが1800人の聴衆の前で、
事件の推理を披露してしまっていた。
この直後に松本智津夫からポア指令が出されていたのだ。
つまり、あまりにもわしの推理が的中していたので、
オウム幹部が仰天して、教祖に報告し、暗殺団の尾行が
始まったということになる。
今まで描いてきたことを訂正した、新たな戦闘記録を
詳細に描かねばならない。
しかし、名探偵・小林よしのりの推理は、ときとして
我が身を危険に晒すということも自覚しておかねばなら
ない。
恐ろしいことだ。